HIV感染におけるウイルスエンベロープの糖鎖と宿主細胞表面の糖鎖との相互作用の重要性

HIV感染におけるウイルスエンベロープの糖鎖と宿主細胞表面の糖鎖との相互作用の重要性

Institute for Glycomics, Griffith University, Gold Coast, QLD 4222, Australiaのグループは、HIV感染における糖鎖ー糖鎖相互作用の重要性について報告しています。
Host glycocalyx captures HIV proximal to the cell surface via

HIVのエンベロープに存在する糖鎖の役割に関しては、現在次のような事柄が知られています:(1)ヒトの免疫認識からHIVを保護する、(2)三量体エンベロープ構造を安定化させる、(3)糖鎖と宿主細胞側のレクチンとの(静電的)相互作用を介してTリンパ球のトランス感染を媒介する。

良く知られているように、HIVエンベロープには、約30個のN-型糖鎖結合部位が存在し、これらの部位の多くは、Man 5-9GlcNAc2 -Asn、およびMan3GlcNAc2 -Asnコア構造を含むオリゴマンノースN-型糖鎖で主に修飾されています。

HIVの侵入については多くのことが知られていますが、HIVエンベロープとCD4受容体依存性相互作用の前段階に存在すると考えられるウイルスと細胞間の最初の相互作用については、依然としてかなり不明確なままです。

このレポートでは、糖鎖-糖鎖相互作用がHIVと宿主細胞の接触を開始させる、つまり、HIVと宿主細胞ぞれぞれに存在する糖鎖の相互作用が、HIVの代表的な末端N-型糖鎖構造であるオリゴマンノースMan5(Manα1-3Manα1-6[Manα1-3] Manと宿主細胞に存在するGlcNAcの相互作用を介して行われることで、HIVの宿主細胞への接着を増強しているという可能性が示されたのです。

つまり、糖鎖-糖鎖相互作用が、ウイルス感染における新しいクラスの高アフィニティー生体分子間相互作用としてクローズアップされてきたと言えるのです。

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