アーカイブ: 2023年8月24日

橋本甲状腺炎患者に見られる血中糖タンパク質の糖鎖修飾変化について

Department of Laboratory Medicine, Shengjing Hospital of China Medical University, Shenyang, Chinaらのグループは、橋本甲状腺炎患者に見られる血中糖タンパク質の異常な糖鎖修飾変化について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10348014/

橋本甲状腺炎 (HT) は最も一般的な自己免疫性甲状腺疾患であり、組織へのリンパ球浸潤と甲状腺抗原に特異的な抗体の存在を特徴とします。
本研究では、HT患者27名と健常者コントロール(HC)26名から採取した合計53個の血清サンプルをレクチンマイクロアレイにて解析しています。結果として、HT群のレクチン結合シグナルの大部分がHC軍に比べて有意に弱くなっていることが判明しました。 更に、HT群では、Vicia villosa agglutinin (VVA) 結合シグナルがHC群に比較して有意に増加していることが分かりました。


Mxが思うに、このレクチンマイクロアレイの品質はあまり良くないですね。

KLF12/Gal-1の発現制御が癌の免疫治療の効率化に繋がるかも知れない

Department of Thoracic Surgery, Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical College, Beijing, Chinaらのグループは、KLF12/Gal-1軸が癌の免疫療法に抵抗性を持つ患者に対する新しい治療ターゲットになり得ると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10432659/

本研究では、腫瘍細胞におけるKLF12の発現減少は免疫逃避の重要なメカニズムであり、抗PD-1療法に対する耐性につながることが実証されました。機構的には、KLF12はGal-1のプロモーター領域に直接結合してその発現を阻害し、それによって腫瘍微小環境へのCD8+ T細胞の浸潤が促進され、腫瘍細胞を死滅させることが出来ると言う訳です。

KLF12 の作用機序に関する継続的な研究と薬剤耐性を回避するための新しい併用免疫療法は、がん患者にとってより効果的な治療選択肢を提供する可能性があると結論しています。

農業WEEK東京展で検索:バイオスティミュラント、根圏、細菌、微生物らをキーワードとして

2023年10月11日~13日にかけて、幕張メッセにて農業WEEK東京展が開催されます。

8月1日から出展社検索が可能になったようですので、「バイオスティミュラント、根圏、細菌、微生物ら」をキーワードとして検索を掛けた結果、次のような会社様が出てきました(敬称略)。
もちろん(同)エムックも出てきます。

OTAアグリオ、ハイポネクスジャパン、インフィニティ、楽々、御幸毛織、イノチオアグリ、島貿易、富士グローブ、セリエ、誠和アグリカルチャ、トクヤマ、倉敷紡績、安藤通商、ファスマック、松本微生物研究所、エンドファイト、環境大善、関西産業、日本オーガニックミネラル、マルナカ松屋商事、ヘラマンタイトン、太陽油化

良い出会いが待っていることを祈ります。

志賀毒素BサブユニットとCD3抗体フラグメントを用いたlectibodyでGb3陽性のがん細胞を狙い撃ち

Faculty of Biology, University of Freiburg, 79104 Freiburg, Germanyらのグループは、Gb3陽性がん細胞に対する T-細胞の細胞毒性を増強する二重特異性を持つlectibodyについて報告しています。
https://www.mdpi.com/2073-4409/12/14/1896

志賀毒素Bサブユニット (StxB) の二量体フラグメントとヒトCD3抗体 (クローン番号 UCHT1) のフラグメントで構成されるlectibodyを大腸菌で産生し、Ni-NTA アフィニティークロマトグラフィーで精製しました。 StxB-scFv UCHT1 lectibodyは、T-細胞と Gb3陽性がん細胞に対して二重特異性を持っています。志賀毒素Bサブユニット (StxB) は、Gb3陽性がん細胞を選択的に標的にすることができ、細胞傷害性T-細胞は、UCFT1 を介して活性化されます。

本研究では、このlectobodyは、出血性腫瘍および固形腫瘍において、Gb3を過剰発現しているがん細胞を最大80% 殺傷できることが示されました。

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