アーカイブ: 2022年1月28日

SARS-CoV-2に対するワクチンを未接種な場合、オミクロンに感染しても他の変異株に対する中和抗体の交差反応性は低い

Gladstone Institutes, San Francisco, CA, USAらのグループは、SARS-CoV-2のワクチン接種を受けていないヒトの場合、オミクロン変異株の感染は、他の変異株に対して有効な交差中和抗体を引き出さないが、ワクチン接種を受けたヒトでは、オミクロン感染は効果的にそれ自身のみでなく、他の変異株に対する中和活性も強化されると報告しています。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.01.13.22269243v1.full-text

SARS-CoV-2の異なる株(WA1、アルファ、ベータ、デルタ、およびオミクロン)の感染によって誘発される免疫応答を決定するために、感染したマウスの血清を収集し、SARS-CoV-2に対する中和活性が評価されました。デルタ感染マウスの血清は、変異株に対して最も広範な交差反応性を示し、ベータを除くすべての系統を効果的に中和しました。比較して、オミクロン感染はオミクロン自体を効果的に中和しましたが、他の変異株に対しては限定的な交差中和を示すに留まりました。 WA1に感染したマウスの血清は、WA1、アルファ、およびデルタに対して効果的な中和活性を与えましたが、ベータおよびオミクロンに対しては中和活性を示しませんでした。これらの結果は、他の変異株と比較してオミクロンによって誘導される免疫は限定的であることを示しており、多くの変異を持つスパイクタンパク質や複製能力が低いことにその原因があると考えられます。

ヒトの場合、興味深いことに、オミクロンのブレイクスルー感染が確認されたワクチン接種を受けた個人の血清は、以下に示すように、オミクロンを含むすべての変異株に対して最高レベルの防御(> 80%)を示しました。

抗がん剤であるシスプラチンに抵抗性を示す精巣腫瘍には特徴的な糖鎖構造が存在する

Institute of Chemistry, Slovak Academy of Sciences, Bratislava, Slovakiaのグループは、抗がん剤であるシスプラチンが効く精巣腫瘍と抵抗性を示す精巣腫瘍にの間に、興味深い糖鎖修飾構造の違いがあることを報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35044085/

精巣腫瘍は、15〜34歳の若い男性の中で最も頻度の高い種類のがんであり、男性のすべてのがんの種類の1.5%、泌尿器腫瘍全体の5%を占めています。
シスプラチンは、最初の金属ベースの抗がん剤のひとつとして、精巣腫瘍を含むさまざまな種類の癌の患者を治療するために今でも広く使用されています。この抗がん剤は、精巣腫瘍の治療に効果的であり、最大90%の治癒率と最大95%の一般生存率を示します。シスプラチンが精巣腫瘍の治療に非常に効果的に作用する理由は、そのような細胞が胚性幹細胞を産生するためだと考えられます。損傷した胚性幹細胞は、突然変異を次世代に受け継がないようにするために、アポトーシスによって排除されなければなりませんが、それによって胚性幹細胞の減少が進んでしまうと、シスプラチンに対する抵抗性があがるものと考えられます。

シスプラチンはDNAに結合し、DNA修復メカニズムでは修復できない病変(タンパク質-DNA複合体)を生成し、DNA、mRNA、およびタンパク質の合成を妨害し、反応性酸素種の蓄積を促進し、シグナル伝達経路を活性化し、最終的に細胞死をもたらします。

著者らは、DBAレクチンが精巣腫瘍のシスプラチン抵抗性を評価するための最良のプローブであり、HHLレクチンがシスプラチン感受性精巣腫瘍を予測するために使用できることを発見しました。

シスプラチンID50による感受性/抵抗性精巣腫瘍細胞株のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)へのレクチン結合間の相関

金属酸化物のナノ粒子(CuO, ZnO, そしてFeO)を使ってトマトの青枯病を制御する

Key Laboratory of Biology of Crop Pathogens and Insects of Zhejiang Province, Institute of Biotechnology, Zhejiang University, Hangzhou 310058, Chinaらのグループは、金属酸化物のナノ粒子を使って、トマトの青枯病(TBW)を抑制することができることを示しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35008839/

トマトの青枯病は、世界で最も感染性の高い土壌伝染性の細菌性疾患です。 原因菌である青枯病菌は、深刻な植物病原体として認識されています。

金属酸化物のナノ粒子である(CuONP、FeONP、およびZnONP)の適用により、コントロールと比較して、トマト植物の長さがそれぞれ24.3%、54.6%、および30.8%増加しました。同様に、金属酸化物ナノ粒子(CuO、FeO、およびZnO)で処理された青枯病感染植物は、コントロールと比較して、新鮮重量が32.8%、78.3%、および30.6%増加し、乾燥重量が41.0%、54.1%、および40.0%増加しました。

一方、青枯病の発症率は、CuONP、FeONP、およびZnONP処理の適用により、コントロールと比較して、それぞれ36.9%、52.8%、および42.8%に大幅に減少していました。

根圏細菌叢のモニタリングからは、これら金属酸化物のナノ粒子が根圏土壌中の細菌の存在量に影響を及ぼし、細菌群集の構成を調節することも分かりました。従って、根圏細菌叢における細菌間の相互作用の変化が青枯病の発生の減少につながったと考えられます。

HIVウイルス特異的な糖鎖抗原を発現させたナノ粒子ワクチンの免疫増強効果

Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USAらのグループは、糖鎖抗原を発現させたナノ粒子をワクチンとして用いる方法を提案しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35021101/

著者らは最近、糖鎖修飾を受けたHIV免疫抗原含有ナノ粒子が、マンノース結合レクチン(MBL)によって媒介されるプロセスでリンパ節濾胞内に蓄積し、ナノ粒子表面への補体沈着、濾胞樹状細胞への輸送、および獲得免疫で要となる胚中心の増強を引き起こすことを報告しました。

これらナノ粒子の平均糖鎖修飾数をナノ粒子あたり0個から240個の高マンノース型糖鎖修飾と増加させて滴定すると、in vitroでのMBL結合とin vivoでの濾胞樹状細胞局在が着実に増加しました。しかし、増やしすぎると逆に落ちてきます(下図参照)。これらの実験から、MBL結合を開始するために必要な最小糖鎖修飾密度の推定値を計算すると、この研究モデルの場合、約25nmの粒子では、2.1×10-3マンノースパッチ/nm2であり、パッチ間の平均分離は約21nmに相当しています。

SARS-CoV-2 オミクロン株のマウスやハムスターへの感染で見られる感染能と病因

the collaborative network of the SARS-CoV-2 Assessment of Viral Evolution (SAVE) program of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID)のグループは、SARS-CoV-2 オミクロンは、マウスやハムスターの肺で減少していることが明らかとなり、ヒトの臨床データと合致していると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8722607/

幾つかの最近の研究(このブログでも紹介されています)は、オミクロンのSpikeタンパク質の変異がマウス宿主への適応を促進することを示しており、オミクロンの前駆細胞がヒトからマウスにジャンプし、次にヒトに戻ったと推測されます。これを支持するように、Wuhan-1 のRBDはマウスACE2に結合せず、オミクロンのRBDはマウスACE2に結合します。ハムスターはまた、SARS-CoV-2感染の影響を非常に受けやすく、COVID-19患者の肺組織で見られる病理学的な変化と同様な変化を示します。 そこで、著者らは、SAVE/NIAIDコンソーシアムの複数の研究所からの実験データを使用して、マウスとハムスターにおけるオミクロン株の感染性と病因についてサーベイしています。

以下は、BALB/cマウスのオミクロンとベータ変異株の比較データです。感染後2日(dpi)で、鼻甲介と肺の感染性ウイルス存在量は、ベータと比較して、オミクロンに感染したBALB/cマウスで有意に低くなっていました(約1,000倍、P <0.001)。

デルタとオミクロンの間の3dpiでのハムスター組織における感染性ウイルス量の比較は、鼻甲介では実質的に違いはないが、ハムスターの肺におけるオミクロンの感染は実質的に少なくなっていました。

デルタまたはオミクロンに感染した後のハムスターの肺の病理の比較では、肉眼的には、デルタ感染ハムスターから得られた肺は、うっ血および/または出血を示しましたが、これは、オミクロン感染動物には見られませんでした。全体として、オミクロン変異株はハムスターの肺での複製効率が低く、デルタ変異株と比較して重症度の低い肺炎に留まるようです。

これらの実験結果は、他のSARS-CoV-2変異株(例えば、ベータまたはデルタ)と比較して、オミクロンの感染は、感染および/または疾患がマウスおよびハムスターで減弱されることを示唆しています。これらの結果は、オミクロンの伝染性は強いが、おそらくより軽度の呼吸器感染症に留まるということを示唆するヒトの予備的な臨床データと一致しているのですが、げっ歯類の弱毒化の根拠については、まだ良く分かっていません。

ある最近の研究(このブログでも紹介されています)は、オミクロンがヒトの鼻腔上皮でより速く複製し、肺細胞でより少なく複製することを報告しています。これらの観察結果がげっ歯類にまで及ぶかどうかは不明ですが、in vivoでのハムスター気管支細胞へののオミクロン感染は、デルタよりも少ないことが観察されますし、他のSARS-CoV-2変異株と比較して、オミクロンではマウスの鼻洗浄および鼻甲介におけるウイルス量が低下していることも分かりました。マウスへの適応が進んだ変異がオミクロンのRBDに沢山あることを考えると、ここで見られるオミクロンのマウスにおける弱毒化は予想外です。
オミクロンの30個を超える変異は受容体の関与と細胞侵入に影響を与える可能性がありますが、他のドメインにおける変異は複製などに影響を与える可能性があり、従って、詳細な遺伝的および機能的研究が、マウスおよびハムスターにおけるオミクロンのウイルス学的および臨床的弱毒化の基礎を明らかにするために必要です。

侵襲性の癌には、α-GalNAcが高発現している

University of Oulu, Faculty of Biochemistry and Molecular Medicine, Oulu, Finlandらのグループは、Helix Pomatia agglutinin (HPA)レクチンによって認識されるα-GalNAcの発現レベルが、癌の侵襲性と顕著に相関していると述べています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8751650/

著者らは、レクチンマイクロアレイを用いら糖鎖プロファイリングを使用して、侵襲性の異なる9つの癌細胞株の糖鎖プロファイルを比較解析しました。

レクチンマイクロアレイに搭載されている43個のレクチンの内、5個のレクチン( HPA、PTL-1、AJA、MAL I、PWM )のみが癌の侵襲性と正または負の相関を示すことが分かりました。多変量線形回帰分析からは、これらの5つのレクチンが癌細胞の侵襲性表現型で観察された変動の97%を占め、HPAのみも変動の58%を占め、PTL-1とHPAを合わせると変動の76%を占めることが示されました。残りのレクチン(AJA、MAL I、PWM)は負の相関を示し、それぞれ7%の寄与でした。従って、癌細胞におけるHPA結合型性の糖鎖エピトープ(O-結合型α-GalNAc)の発現の増加が、癌細胞の侵襲性を促進する主な要因であると考えられました。

次に、HPA結合性タンパク質をHPAレクチンでプルダウンし、LC-MS/MSで同定しました。

これらのうち、HPAで免沈した糖タンパク質( EGFR、MMP-14、β4-、β1-、α2-、およびαVインテグリン)は、低侵襲性細胞と比較して高侵襲性細胞で著しく濃縮されており、これらのタンパク質で末端α-GalNAcの修飾レベルが増加していることが分かります。これら糖タンパク質の内、 EGFRおよびα2インテグリンが癌の侵襲性と有意に相関していることも判明しました。

小麦の根圏:塩害耐性を強化するバチルス・ベレチェンシスの接種効果

Key Laboratory of Biochemistry and Molecular Biology in University of Shandong Province, Weifang University, Weifang, Chinaらのグループは、小麦の塩害耐性を高めるために、バチルス・ベレチェンシスの根圏接種について報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34987493/

塩害は、世界的な農業問題のひとつです。現在、世界の耕作地の少なくとも20%は、さまざまな程度の塩害によって脅かされているとされています。

この研究では、バチルス・ベレチェンシス JC-K3の菌株が、塩性土壌で育てられた小麦から分離されました。この菌株は、強い耐塩性と耐アルカリ性を示しただけでなく、IAA、シデロホア、プロリン、可溶性糖、プロテアーゼ、セルラーゼ、およびグルカナーゼらを生成することで、植物の耐塩性を改善し、環境変化に対する植物の耐性を改善します。実際、本実験でテストされた塩分ストレス下で(耐塩性(12%NaCl、w/v)、1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレートを添加したDF寒天培地に対して)、コントロール群と比較して、バチルス・ベレチェンシス JC-K3の接種は、小麦の成長を促進しました(草丈は12.69%増加し、根長は27.59%増加し、小麦シュートの新鮮重量は13.55%増加しました)。

コントロール群と比較した場合、JC-K3接種後の小麦の根の内生菌の含有量に有意差はありませんでしたが、小麦の新芽中のCyanobacteriaの含有量は、JC-K3の接種後に有意に減少(p≤0.001)、Proteobacteria、 Actinobacteria、Chloroflexi、Bacteroidetes、Firmicutes、Gemmatimonadetes、Nitrospirae、Saccharibacteria、そしてParcubacteriaは有意に増加p≤0.001)、小麦の葉の放線菌、Chloroflexi、Acidobacteria、 Gemmatimonadetes、そしてNitrospiraeの含有量は、JC-K3の接種後に有意に増加(p≤0.001)、根圏土壌中のParcubacteriaの含有量は大幅に減少していました(p≤0.05)。

JC-K3を接種した後、小麦の根と葉の内生菌の含有量に有意差はありませんでしたが、小麦の新芽に含まれるGlomeromycotaの含有量は大幅に減少し(p≤0.05)、小麦の根圏土壌に含まれるAscomycotaの含有量は大幅に減少し、BasidiomycotaとRozellomycotaの含有量は大幅に増加していました(p≤0.05)。

SARS-CoV-2 オミクロンは、2020年初頭に分岐し、独自の進化を遂げた?

Research Institute of Public Health, Nankai University, Tianjin, PR Chinaらのグループは、SARS-CoV-2 オミクロン株の起源について仮説を提唱しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35005525/

オミクロン株には53個を超える多数の突然変異があるにもかかわらず、既知の公開データベース(GISAID database)からは、これらの突然変異が時間の経過とともにゆっくりと蓄積したことを示唆する証拠は見つかりませんでした。さらに、系統樹の解析からは、オミクロン株の進化において、中間分岐が存在しないことが示されました。

オミクロン株がデルタ変異株から進化した場合、それらは共通の変異プロファイルを共有するはずです。しかし、GISAID databaseからの分析は、オミクロン変異体が、デルタ変異体から進化しなかったことが示されました。系統発生分析は、オミクロン変異体がガンマ変異体を姉妹群として単系統群を形成し、オミクロンとガンマの系統が2020年の前半に分岐した可能性が高いことを示しています。これは、オミクロンがヒト以外で進化した可能性があるという仮説を裏付けています。動物宿主に多くの突然変異を蓄積した後、変化したSARS-CoV-2が逆人獣共通感染症によってヒトに感染したと示唆されます。

オミクロン株の起源を特定するには、動物、特に疑われるげっ歯類が持っているウイルスを調査する必要があります。

キメラ抗原受容体(CAR)-NK細胞をSARS-CoV-2感染の治療に使用する

The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD, USAらのグループは、SARS-CoV-2感染の治療のための糖タンパク質標的キメラ抗原受容体(CAR)-NK細胞を使用した新しいアプローチを提案しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8732772/

NK細胞は免疫系の自然免疫リンパ球であり、ウイルス感染の制御に重要な役割を果たしており、CAR-T細胞およびCAR-NK細胞は、癌や感染症に対する非常に有望な新しい免疫療法として着目されています。

通常、NK細胞表面に発現された合成受容体は、ターゲット細胞の表面タンパク質に結合するように設計されています。この研究では、ターゲットとなる糖鎖修飾に対する結合特性を持つユニークな細胞膜外発現分子(即ち、レクチン)を利用してCARを設計しました。糖タンパク質、特にN-型糖鎖をCARで標的化することはまれです。本研究は、SARS-CoV-2のSpikeタンパク質に発現したNー型糖鎖を標的とする最初のCARであり、おそらく、前臨床試験で設計および機能的にテストされた最初のレクチンベースのCARでもあります。

レクチンは、何百万年にもわたって糖鎖に対して非常に強力で選択的な結合特性を持つように進化してきたものであり、H84T-BanLec CARは、ウイルスタンパク質の異常な糖鎖修飾パターン(この場合はハイ・マンノース)を標的とするという点で、まったく新しいアプローチです。ここで、BanLecは、ハイ・マンノース型糖鎖への結合特異性を有することが知られているレクチンであり、SARS-CoV-2 Spikeタンパク質の受容体結合ドメインの近くに存在することが分かっています。

SARS-CoV-2などのRNAウイルスにおいては、ゲノムの突然変異の影響を受けにくい受容体ターゲティングパターンを備えたCARを開発する必要性があり、N-型糖鎖はそのターゲットに成りうると考えられます。

小麦の根腐れ病と根圏における菌類との関係性について

Hubei Key Laboratory of Crop Disease, Insect Pests and Weeds Control, Wuhan, Hubei Province, Chinaらのグループは、小麦の根腐れ病と根圏の真菌の存在量との関係性について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8675258/

健康なグループ(H54とH5)と根腐れ病のグループ(D4とD5)の間で、根圏土壌の真菌の存在量に有意差がありました(下図参照、PCA分析を使用)。

前記グループ間で存在量に有意な違いがある属は、Alternaria、Apodus、Epicoccum、Scytalidium、およびChaetomiumでした。
Alternaria: 根腐れ病で減少、
Apodus: 根腐れ病で増加、
Epicoccum: 根腐れ病で減少、
Scytalidium: 根腐れ病で増加、そして
Chaetomium: 根腐れ病で増加。

病原菌の存在は小麦の根腐れ病に確かに必要な条件なのですが、病原菌の存在量の豊富さのみが決定的な要素ではないのかも知れません。というのも、土壌の物理的および化学的性質として、NH4、NO3、および全窒素量の増加は、小麦の根腐れ病の発生と相関しており、低い土壌pHと土壌密度は、小麦の根腐れ病の発生に関係しているからです。

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