コレステロールを下げる治療薬としてスタチンは広く使われています。
ウイルスの感染においては、その感染のプロセスにおいて細胞膜に存在する脂質ラフトが介在するため、コレステロールやスフィンゴ脂質の変化がウイルスの感染に影響を及ぼすであろうことは十分に推察されます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306987720333430?via%3Dihub
新型コロナウイルス(COVID-19)においては、重症化のHazard Ratio(HR)がスタチンの投与で大きく減少することが分かりました。
HR=0.70 (95% CI: 0.53 – 0.94)
一方、インフルエンザでもスタチンの効果は認められており、
オッズ比(OR)=0.72 (95% CI: 0.38 – 1.33)
というデータが報告されています。
しかし、スタチンが宿主細胞へのウイルス感染を押さえているのか?それともウイルスの複製を押さえているのか?を明確にするためには、更なる研究が必要です。